「静物-人生の空しさの寓意」 ハルメン・ステーンウェイク
この絵はヴァニタスの説明で最もよく見る作品です。やはり一番目立つのは中央のドクロです。誰もがドクロを見れば死を連想することでしょう。ドクロは瞑想のアトリビュートでもありますが、ほとんどの場合はヴァニタスを意味します。
そこによりかかる上質な装丁がされた書物は知識のはかなさを表現します。西洋の無常観では、知識すらも無常なものとされました。旧約聖書の「伝道の書」にはこのような一文があります。
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書物はいくら記してもきりがない。学びすぎれば体が疲れる。
すべてに耳を傾けて得た結論。「神を畏れ、その戒めを守れ。」これこそ人間のすべて。
神は、善をも悪をも、一切の業を、隠れたこともすべて、裁きの座に引き出されるだろう。
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いくら知識を得ても死に抗う術はありません。死によってどれだけ権力のある人間も、富を持つ人間も、そして博学な人間も、等しく滅びさるのです。
ドクロの上にはランプが見えます。よく見るとランプからは煙が出ているのがわかるります。煙は儚い存在として人生の儚さを象徴します。
ドクロとランプの間にあるのは日本刀です。日本刀がこの時代の絵画に描かれるのには驚きですが、これは武力を意味すると共に、蒐集家好みの高級な品であることから富の象徴でもあります。日本刀の先にあるのは珍しく美しい貝です。貝も蒐集の対象となっており、これも富を象徴します。絹のショールも富を表します。富は現世でしか意味を成さない虚しい物の代表的な存在です。
日本刀の柄の部分に見えるのは懐中時計です。時は全てを奪い去ります。
一番手前に見える楽器や本の上に乗るラッパは五感の聴覚を表します。ラッパの上にある酒壺は味覚を表します。これらのような五感の喜びも、現世の虚しさを表します。
Notes:
